いつから「恵方巻」が「巻き寿司」の代名詞になってしまったのか!?

節分といえば恵方巻、そこらじゅうのスーパーやコンビニで「恵方巻」の予約受付けをしているのを見ると、「恵方巻」のルーツをご存知かと思わず突っ込みを入れたくなります。「恵方巻」ブームの仕掛人セブンイレブンということになっているようですが、もともとは上方のお寿司屋さんが芸者さんや遊女向けに「巻き寿司」を提供したことに由来します。恵方に向いて旦那様の○○○に見立てた「巻き寿司」を食べると、幸運が舞い込むというわけです。


恵方巻」がブームになる以前からの「巻き寿司」ファンとしては、安易に買わないで「自分で作れよ」と文句のひとつも言いたくなります。関西では「巻き寿司」、関東では「海苔巻き」と呼ばれているようですが、自分は「巻き寿司」派です。シンプルな具材を使った鉄火巻きやかっぱ巻きは「細巻き」で食べますが、複数の具材となると「中巻き」「太巻き」という具合にバリエーションがあるのが「巻き寿司」の魅力のひとつです。特に「太巻き」はボリュームがある上に、具材で彩られた断面が視覚的にも美しいので一番好みです。写真は大好物の銀座久兵衛の「太巻き」です。

1750年に刊行された料理本「料理山海郷」に初めて「巻鮓(まきずし)」という文字が登場するので、江戸中期には普く庶民に浸透していたようです。「巻き簾」を使って具材を海苔で包み込むというアイディアを誰が思いついたのでしょうか、実に素晴らしい発明です。「巻き簾」を使えば簡単に拵えることのできる「巻き寿司」を、節分に限らずオールシーズン楽しみたいものです。