全豪OPフェデラー優勝の蔭に好敵手ナダルの存在

昨夜の全豪オープンテニス2017決勝はフェデラーナダル、ふたりのGS頂上対決はなんと6年ぶりでした。昨シーズン後半からフェデラーは膝の怪我で欠場、ナダルも手首に怪我をして得意とする全仏を棄権。迎えた2017年GS初戦となる全豪OPでふたりが決勝で顔合わせすることは、当の本人も含めて誰も予想しなかった出来事でした。フェデラーナダルの世界ランキングはそれぞれ17位と9位でしたから、むべなるかなです。

ところが、フェデラーは往時の華麗なプレーを随所に披露しながら、我らのホープ錦織やワウリンカを次々と撃破して、決勝の舞台に勝ち上がってきました。ナダルも準決勝でディミトロフと対戦、4時間56分の死闘を制して決勝に駒を進めました。GSは5セットマッチ、頂上を極めることの険しさを知悉しているのは、35歳を迎えた歴戦の勇者フェデラーに他なりません。

好敵手ナダルとの対戦は35度目、3時間38分のフルセットを制したのはフェデラーでした。2012年ウインブルドン以来となる5シーズンぶりのGS制覇に、フェデラーの喜びも格別だったに違いありません。共に一時代を築いた宿命のライバルという形容は見事な復活を果たしたふたりに対して失礼というものです。再び輝きを取り戻した好敵手のふたりは、頂点をうかがう錦織世代にとって依然脅威であることに違いはありません。次世代錦織らとビッグ4の距離は埋まりそうで埋まらない、そんな印象を強くした全豪OP決勝の試合でした。