ジョニ・ミッチエルの歌詞が突き刺さった!

日曜日の日課のひとつは、朝日の別刷りタブロイド紙GLOBE(No.187)の記事を読むこと。このタブロイド紙、珍しく横書きで海外のニュースや洋書情報をカバーしているので結構気に入っています。

今週は、英国人ジャーナリストのマイケル・ブース氏のコラムに目が留まりました。そして、築地市場移転の延期は久々の朗報であるという趣旨の記事に引用された”Big Yellow Taxi”の歌詞にすっかり心を奪われてしまいました。この曲は、1970年にカナダ生まれの女性シンガーソングライター、ジョニ・ミッチエルがリリースしたものです(後にカウンティング・クロウズのカバーでもヒットしています)。グラミー賞を9回も受賞しているジョニの代表作のひとつなのでご存知の方も多いでしょう。大切な市場が取り壊されると知ったとき、「築地」を愛してやまないマイケルの心に浮かんだ曲が”Big Yellow Taxi”だったというわけです。歌詞はこんな風に始まります。


They paved paradise
And put up a parking lot
With a pink hotel, a boutique
And a swinging hot spot
Don't it always seem to go
That you don't know what you've got
Till it's gone
They paved paradise
And put up a parking lot

They took all the trees
Put 'em in a tree museum
And they charged the people
A dollar and a half just to see 'em
Don't it always seem to go
That you don't know what you've got
Till it's gone
They paved paradise
And put up a parking lot

元々は都市開発で緑を奪わないで欲しいと訴える内容ですが、2小節のなかで繰り返される<手にしているものの大切さは失ってみるまで気づかない、いつだってそうじゃないの?>という歌詞が胸に深く突き刺さりました。人生の折り返し地点をとっくに通り過ぎた今、自分が当たり前のように思っている日々の暮らし、家族、友人、自然、自由・・・そのひとつひとつがかけがえのないものだと気づかせてくれます。歌詞の最後に登場する大きな黄色いタクシーが、突然、お父さん(big old man)を連れ去っていきます。いつか訪れるかも知れないそんな瞬間に決して後悔しないように、慈しむべきを常に慈しんで生きなければと思うのでした。