MASIのコスタセラアマローネ2010年は秀逸だった!

2009年、2010年とグレートヴィンテージが続いたことはワイン通にはよく知られています。ヴィンテージチャートを見ると、2010年は、ボルドーブルゴーニュの作り手のみならずイタリア産ワインにとってもおしなべてグレートヴィンテージだったことが分かります。


一昨日は料理もワインも大好きな知人夫婦と久しぶりにホームパーティを催しました。乾杯用にスプマンテ、お魚料理にはシャブリを用意、メインディッシュ(鶏肉の赤ワイン煮込み)のために少し冷やしておいた2010年のMASIコスタセラアマローネを抜栓しました。


イタリア語で「苦味」を意味するアマローネは、イタリア・ヴェネト州ヴェローナ近郊のヴァルポリチェッラ地域で造られる伝統ワインのこと。MASI社は1772年創業のヴァルポリチェッラ最初のワイナリーです。収穫されたブドウはすぐに搾られるのが一般的ですが、アマローネの場合、収穫後3〜4か月間、風通しのいい部屋で陰干しされます。陰干し(アッパッシメント)が終わるころには、35%も重量が減って香りと糖度が凝縮されます。その後、2ヶ月余りの自然低温発酵とアルコール発酵を経て、24ヶ月間樽熟成が行われます。さらに出荷されるまで瓶内熟成4ヶ月を要しますので気の遠くなるような醸造プロセスです。

陰干し期間が生産者ごとに異なるため最高格付けがとれなかったアマローネも、2010年の収穫から最高格付けが認められるようになって、MASIコスタセラアマローネ2010はDOCGに昇格しています。ただでさえ美味しいアマローネ、その最良の年とくればいやでも期待感は募ります。

先ずはグラスを傾け香りを楽します。濃厚なチェリー香が鼻腔をくすぐり、口に含むとビロードのような舌触りで、タンニンとチョコレート風味のバランスが抜群です。陰干しによって糖度が高まるのでアルコール度数は15%、その濃密ボディこそアマローネの真骨頂です。いやはや、あまりの美味しさにネットで2本追加注文してしまいました。35年は熟成可能ということなので、最後の晩餐のために1本とっておきましょうか。