ユニクロでセルビッジジーンズを買う

ファッションにあまり興味がないので、よっぽど必要に迫られないとカジュアルウェアを買いに行くことはありません。スーツ族にとってカジュアルウェアについてあれこれ考えることほど煩わしいものはありません。

ところがジム通いをしているうちにウェストが細くなって、ストックしているパンツのサイズが合わなくなってきました。致し方なく、パンツを新調しようとユニクロ吉祥寺店に出向くことに。ところが、いろいろ試着してみたもののピンときません・・・。


メンズコーナーを徘徊しているうちに、ヴィンテージ素材として知られるセルビッジジーンズが目にとまりました。ユニクロジーンズ・・・それはないだろうと勝手に決めつけていたのですが、試着してみるとこれがなかなかの穿き心地。綿とポリエステルの混紡なのでストレッチが効いて、実に動きやすいのです。正式名称はストレッチセルビッジジーンズといい、少し細身のスリムフィットを購入することにしました。


デニムの製造メーカーは、原綿から紡績・染色・織りまでの工程を一貫して手掛けるカイハラ社、1893年創業の知る人ぞ知る老舗なのです。日本でデニムを一貫生産できるのはこの会社だけです。セルビッジを製造するには効率の悪い旧式シャトル織機を使うので、稀少性が高く勢い価格に反映します。セルビッジというのはジーンズの縫い合わせの部分にできる耳のこと。赤い糸で縫われているので「赤耳」と呼ばれています。コインポケットにも「赤耳」がついています。このアイコンが、高価格帯のジーンズであることを証明するプライスタグの役割を果たしています。ジーンズ好きはこの「赤耳」を見せたいがためにロールアップして穿くのだそうです。

さらに、普通のデニム生地と違って、セルビッジには表面に凹凸があるので脱色も縦落ちします。穿き慣らすうちにきれいなシワ感と色落ちが実現します。

ヴィンテージデニムに詳しい友人に聞くと、イタリアのディーゼル製デニムはユニクロの10倍前後の価格で売られているのだそうです。素材だけ見れば、ディーゼル社製と何ら遜色はありません。世界最安の高級デニムという評判もあながち嘘ではなさそうです。