<涸沢カール>山行(2)〜往路のコースタイム及び同行者の発症〜

10/5の朝を迎えました。5:30起床、懸念された空模様もまずまず、薄日の差し込むなか、7:10に小屋を出発しました。以下、通過点毎の予想コースタイムと実際のラップです。

明神〜徳沢(1時間)(1時間)

新村橋で小休憩(涸沢カールを一望できるパノラマコースの説明あり)

徳沢〜横尾(1時間)(1時間10分)

屏風岩撮影スポットで小休憩X2

横尾〜本谷橋(1時間)(1時間10分)

13:45頃、雨が降り出す

本谷橋〜涸沢(2時間)(3時間)


梓川に架けられた横尾大橋を渡るといよいよ登山道を歩くことになります。幅員2メートル程度の狭い道もあるので縦一列で進みます。屏風の頭(2565メートル)から屏風岩へ連なる稜線や北穂が左手に見え隠れします。

渓流に架かる本谷橋周辺が格好の休憩スポットになります。ザックを下して持参した行動食で腹ごしらえしました。以前、富士山に登ったとき、「SOYJOY」(ソイジョイ)を食べてその味に感動したのをきっかけに、似た商品の「一本満足」と共に必ず携行することにしています。「SOYJOY」が発売された直後、出張先の仙台で試供品を食べたときは、正直、<こんなもの売れるものか>と思いましたが、非常食や行動食にはうってつけなのです。大豆ベースの栄養食でボソボソせずに口当たりがしっとりしている点を評価しています。8月末でヤマザキナビスコ傘下での販売中止が決まった「オレオ」も1枚で53kcak摂取可能な逸品行動食のひとつです。1912年以来、アメリカでも最も売れてるクッキーだけのことはあります。野外だと街場より格段に美味しく感じられるのが不思議でなりません。

脱線気味なので山行に話を戻します。本谷橋での休憩が終わると俄かに空模様が怪しくなってきました。ここから急坂が涸沢ヒュッテまで続くので油断は禁物です。立止禁止のガレ場を切り抜けると、同行者のひとりの足取りが重くなって、小刻みの休憩が幾度も入るようになりました。ヒュッテの屋根が見えてきたあたりで、とうとう女性客が岩にもたれかかるように腰を下ろしてしまいました。背中が汗でびっしょり濡れています。付き添うリーダーに向かって「目が見えない」とか「眠たい」と愁訴しているようです。リーダーは「寝ちゃダメだ」と励ますもののビビッドな反応がありません。明らかに高山病の症状です。とうとう、10キロはあろうかというザックをリーダーが引き取って、ようやく歩行再開となりました。立ち止まった時間がずいぶん長く感じられました。

涸沢ヒュッテに到着したのは14時過ぎ、雨具なしで何とか往路を乗り切りました。スマホ上では移動距離は約13キロ(横尾大橋から6キロ)、上高地(1500メートル)から高さにして800メートル上昇したことになります。高山病を発症した同行女性Kさんは77才で百名山も完登しているといいますから、往年の山ガールに違いありませんが、ツアーに参加したお蔭で命拾いしたことになります。コースタイム5時間に対して7時間を要したのは同行者の発症に伴うものでした。。日没の迫った涸沢カールにはガスが立ち込めてきました。