ポケモノミクスの威力〜任天堂株が連日高値更新〜

日本に先駆け、7月6日から米国で先行配信を開始した任天堂スマホゲーム「ポケモンGO」がダウンロード数でいきなり1位を記録し、世界中で大きな話題になっています(現在35ヵ国で配信中)。オーストラリアでは警察署が立入禁止措置を講じたとか、プレーヤーが水死体を見つけたとか、にわかに信じ難いニュースまで報じられています。

任天堂の株価は連日高値を更新し、7月6日から数えて先週末で7連騰という快進撃。「ポケモノミクス」トレードの勢いは凄まじく、7/19前場は30780円で引けています。


ポケモンGO」は、スマホのカメラを使って街角の風景を映し、現れたモンスターをゲットするというゲーム。このゲームには、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する拡張現実(AR-Augmented Reality)という最新技術が使われています。すでにおなじみの仮想現実(VR)と対をなすこうした次世代最新技術の市場規模は19兆円に拡大すると予想されています。

かつて、欧米を中心に据置型ゲーム機Wii(ウィー)」や携帯型ゲーム機ニンテンドーDS」の販売で荒稼ぎした任天堂には、5552億円という過去最高の営業利益を計上した実績があります。しかし、世界経済の低迷や円高進行で赤字を計上したりとこのところ任天堂は元気がありませんでした。

ポケモンGO」の大ヒットで任天堂は再び輝きを取り戻そうとしています、収益の柱はずばり課金要素と「スポンサードロケーション」という実店舗からもたらされる手数料です。日本マクドナルドが集客増を狙って、スポンサードロケーションになる可能性が高いという憶測から株価は急騰しています。

こうなるとポケモンユーザーが集まる場所(「ポケショップ」や「ポケジム」)には大きな収益チャンスが生まれることになります。とどまるところを知らない「ポケモノミクス」、今後の行方に目が離せません。