2015年春の旅(3)~呉で大型輸送艦を見学する〜

東広島で一泊した翌朝(3/29)、戦前、東洋一の軍港・日本一の工廠として知られた呉市を訪れました。呉市は、広島市の南東に位置し距離にして30キロ足らずなので、広島市街から車で小一時間もあれば移動できます。

たった1日しか呉で過ごせない都合上、その日はホテルを7時30分過ぎにチェックアウトして、あらかじめ立てておいた次のようなスケジュールに従って効率的に複数の目的地を訪ねることにしました。てんこ盛りに近い過密スケジュールでしたが、何とか日没までにスケジュールを消化することができました。

(午前)歴史の見える丘→アレイからすこじま専用駐車場
    →海上自衛隊呉基地(Fバース)で輸送艦おおすみの見学
(正午過ぎ)海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校
(午後)大和ミュージアム→てつのくじら館

鎮守府が呉に設置されたのは明治22(1889)年、以来、呉は造船の重要拠点として栄えていくことになります。往時は人口40万人を超え10大都市のひとつに数えられたというだけあって、「歴史の見える丘」に立つと「戦艦大和」を建造した船渠(ドック)の上屋を臨むことができます。建造中の巨大な船舶が横たわるドックを眼下に眺めると、この地が鎮守府の所在地に選ばれた理由(三方を山に囲まれ防御にすぐれた立地であること)がよく分かります。


車を険しい坂の上にある駐車場に停めて、海上自衛隊呉基地へ向かいました。日曜日のこの日は海上自衛隊護衛艦等を一般公開する日だからです。20年以上前、NYで停泊中の空母を見学したことがありますが、艦船の見学はそれ以来です。基地の警備は厳重で、入門には身分証明書の提示が求められます。この4月からはさらに事前登録制になるそうなので、見学者は準備が必要になります。

毎日曜、3回に分けて行われる一般公開には300人ほどの見学者が押し寄せるそうです。今回、見学した輸送艦おおすみの全長・全幅は、それぞれ178メートル・25.8メートル。近づけば近づくほどその威容に圧倒されます。建造費は272億円前後とか。見学時間は1時間、船内後部で2隻のホバークラフトを見てから退艦しました。護衛艦だと甲板に上がることもできるようですが、今回は叶いませんでした。

呉基地には第1潜水隊群が配備されていて、写真のようにまじかで潜水艦を見ることができます。Wikiによれば、海上自衛隊保有する艦船隻数は137、内潜水艦は17隻。こうして黒鉄色の巨大な潜水艦を目の当たりにすると、海上自衛隊の軍備は世界を見渡してもトップクラスだと云われる所以が実感できます。日本の教科書記述をめぐってまたぞろ隣国が難癖をつけていますが、尖閣諸島竹島問題を含めて固有の領土は是が非でも守らなければなりません。

平和ボケした今こそ、絶えず領海侵犯に晒される海上自衛隊の隊員や海上保安庁の職員の日常に思いを馳せる必要があるのではないでしょうか。