贈り物の「ポートフォリオ 2007」

昨夜、テレビドラマ「独身貴族」第5話を観ていて、社員の誕生日プレゼント選びに悩む主人公星野守(草薙強)にいたく共感しました。趣味趣向の合わないモノを頂いて困惑した経験は、誰しも少なからずあるのではないでしょうか。会社員時代、接待を受けるときに持参する手土産選びにさえかなり悩んだので、自分は星野守にかなり近いメンタリティの持ち主だと思います。

そんなことを考えているうちに、この夏、知人を招いてホームパーティを開いたとき頂戴した心憎いギフトのことを思い出しました。贈り物は"Portfolio 2007"というワインでした。以前、知人のために"Opus One"というカリフォルニア屈指のプレミアムワインを抜栓して差しあげたことを記憶にとどめておられたのでしょう。

その"Opus One"の醸造に9年間携わったジェヌヴィエーヴ・ジャンセンズが手掛けたプレミアムワインが"Portfolio"なのです。2007年ヴィンテージはパーカーポイント95点を得た傑作ワインで年間生産はわずか3000本、幻のスーパープレミアムワインといっていいでしょう。

このワインのエチケットにはアーティストでもある夫リュック・ジャンセンズが描く二つの顔があしらわれています。"Opus One"のエチケットにロバート・モンダヴィとバロン・フィリップ・ロスチャイルドのシルエットが描かれているのと似ています。

この贈り物、和歌の世界でいえば見事な返歌といえるでしょう。オーパスワンは作品番号1という意味で、一本のワインボトルを交響曲に、そして一杯のワイングラスをメロディに例えています。一方、ポートフォリオというネーミングも実にお洒落です。金融の世界では資産構成を意味し、画集や作品集という意味もあります。

こんなヴィンテージワインはしばらく寝かせておくにかぎります。当分、自宅ワインセラーにお蔵入りですので、パーカー氏のコメントで味わいを想像するしかありません。

It is a wine of class elegance and power with a lot of harmony…
Mr.Michel Rolland loves it. (Comments from “Robert Parker”)