幕見席というシステム

柿葺落六月大歌舞伎の予約をさぼっていたらチケットは忽ち完売。歌舞伎ファンの熱狂ぶりは依然冷めやらぬようです。

ミュージカルの本場NYであればダフィ・スクエア(タイムズスクエアの北側)のtktsへ行けば当日券を入手できる可能性がありますし、オペラの本場ヨーロッパでもビジター向けに立見席が用意されています。

歌舞伎座にも似たようなシステムが存在します。ここで公演前にチケットを取得できなかった場合の裏技を紹介しておきます。歌舞伎座には4階に「幕見席」と呼ばれる当日席が用意されていて、チケットを予約できなかったりお気に入りの演目を幾度も見たい場合に便利です。この「幕見席」には96の椅子席に加え立見席が60ありますので、都合156人が当日鑑賞可能ということになります。「幕見席」のお値段は2000円、実にお得だと思います。新歌舞伎座になって以前は死角だった花道のとっ先への視界が確保されました。コストパフォーマンスは決して悪くありません。くだんの歌舞伎座4階へは正面玄関からではなく専用エレベーターで上がります。

六月大歌舞伎の初日、歌舞伎座1階正面玄関左のチケット売り場に並んで「幕見席」を入手し、第二部の「壽曽我対面」と「土蜘」を続けて観てきました。違う演目の一幕見チケットを同時に購入できることが分かったので、4000円支払ってこうして二演目を観劇することができました。一幕目は海老蔵さんが出演するせいでしょうか、立ち見も賑わっていました。外国人の姿もちらほら、「幕見席」は歌舞伎の魅力を海外に発信する上でも一役買っているのではないでしょうか。