小宮山書店での出来事

先週末、ある画集を探しに神田に出掛けたとき、吃驚することがありました。1991年に新潮社から出版されたその画集はカタログレゾネと呼ばれるもので、絵のコレクターであれば必携すべき代物です。数週間前、ネット検索をしたところ、丸善ジュンク堂以外の大手書店はすべて品切れ。丸善ジュンク堂に注文を入れてはありますが、普段使いにもう一冊欲しいと思い、神田に足を運んだというわけです。

神田には美術館の図録を専門に扱う悠久堂という古書店があります。先ずそこを訪れましたが、探していた品は見当たりません。そこで、次に小宮山書店を訪れると、ほどなくお目当ての『有元利夫全作品』が見つかりました。その場で精算すれば良かったのですが、近くの東京堂書店で小一時間コーヒーブレイクしたばかりに、小宮山書店に戻ると、あろうことか獲物が書棚から消えていました。最初は書店員が整頓のために別の場所へ移しただけだろうと楽観していたのですが、半時ほど自力で探しても見つからないのでやむなくレジの店員さんに尋ねると、「先ほど売れました」というつれない返事が・・・・『ビブリア古書堂の事件手帖』かと錯覚しそうになりました。

こんなこともあるのですね。小休止に費消した時間を呪いながら小宮山書店を後にする羽目になりました。稀覯本でなくとも探している本が見つかったら躊躇わずに買うべきですね。

ツキに見放されたかに見えたその日の夕刻、ラストトライとばかり心当たりの古書店に足を運ぶと、ありました『有元利夫全作品』!勿論、即座に買ったことは言うまでもありません。実はこの店に少々値の張るもうひとつの探しモノ(こちらは重版の可能性が低いので稀覯本に近いかも)もあることが分かりました。小宮山書店の教訓を生かして直ちに買うべきか否か・・・実は迷っています。突然ライバルが出現すると困るので、書名と書店名は内緒です。