2012 New Year Party at Tokugawa Village (1)

以前勤めていたフランス系投資銀行グランゼコールビジネススクール出身者をトレーニーとして預かったことがありました。日本では最高学府は大学ということになりますが、フランスではバカロレアを取得すれば誰でも大学に入学できます。従って、バカロレアを取得してから更に予備校で数年準備を重ね厳しい競争をくぐり抜け初めて合格出来るグランゼコールなどが高等教育機関にふさわしいということになります。グランゼコール出身者は大変優秀だという評判でした。

パリから次々と派遣されてくるトレーニーは東京支店に配属されて1年前後勤務し、やがて就職先を決めて巣立っていきます。そのなかでコンサルティングファームに転じたM君が、昨秋、十数年ぶりにお嬢さんを連れて日本に戻ってきました。欧州で日系企業のコンサルを担当している内にスカウトされて東京勤務になったからです。暮れに歌舞伎町でしゃぶしゃぶ鍋をつつきながら旧交を暖めたばかりですが、正月3日に目白にあるレジデンスでホームパーティを催してくれました。

当日、お手伝いは不要ということだったので、てっきり家政婦のミタさんが万事準備を済ませているものと思ってお昼過ぎに出掛けたところ、エプロン姿のM君自らのお出迎えに吃驚。オペアは明日からご出勤とかで、シンクの水切り籠には剥いたばかりのじゃがいもが山盛りになっているではありませんか。厨房に立つのはこの日が初めてと聞いて俄かに心配になり、ヘルプに回ることにしました。すでにメニューは決めているらしくフランスから持参したという大きな缶詰が幾つもキッチンに並び、M君はペーパーバックのレシピ本(当然フランス語)を片手に思案顔・・・・・、これからが実は大変なのでした。続きは次回にいたします。

東京にはexpat専用のマンションや住宅が点在していますが、<徳川ビレッジ>はその名のとおり尾張徳川家の末裔二十二代目義崇氏が今も一角に住まう外人専用高級賃貸住宅棟のことです。M君は4月から北区に移転するリセへ通うことになる小さな娘さんの便宜も考えて、優に2世帯は住めるような目白の豪邸に所帯を構えることにしたようです。M君のお蔭でおもわぬ名所探訪ができました。