Web内覧会(1)〜丸窓にステンドグラス〜

http://pds.exblog.jp/pds/1/200711/19/59/c0124359_1813251.jpg勾配天井にルーフドーマを設えるアイディアは基本設計の段階からプランナーより提起されていたのですが、ドーマの丸窓にステンドグラスを配うことになろうとは半年前には想像すらしていませんでした。

ステンドグラスと云えば、大学卒業間際に訪れたケルン大聖堂で仰ぎ見たステンドグラスが今も強く脳裏に焼き付いています。社会人になってから訪れたサグラダ・ファミリア教会内部には仄暗い天井ヴォールトに嵌め込まれた無数の丸い採光用ガラス窓があって、太陽光を色鮮やかなステンドを通して取り込んでいたのを思い出します。

公共建築、とりわけ教会建築には欠かせないステンドグラスを蛮勇を奮ってくだんの自宅丸窓に配う決断をしたところ、インテリアコーディネーターを介してステンドグラス作家のK氏と望外の出会いがありました。最初は色遣いを最小限に抑えたいK氏と意見が食い違う場面もありましたが、工房打ち合わせで最終的なデザインが決まり写真のようなステンドグラスが出来上がりました。ジブリ美術館の塗装も手掛けたQ社の青山さんが絶妙の色調合でアイボリーホワイトの塗り壁を拵えてくれたお蔭で、吹き抜けの中心にある丸いステンドグラスからは柔らかい日差しが差し込んできます。百合をモチーフにした曲線美のデザインがとても気に入っています。

K氏はご自身のブログに<おしゃれなリビングルームの吹抜にある丸窓エレガントなアールヌーヴォー調のデザインで左右対称の曲線図柄です。ポイントカラーに赤色のガラスを使い柔らかなカーブのビベルドガラスが、輝きを増しています。いつもの事ですが丸窓にステンドグラスを施工する時デザインの水平をだすのに苦労します。>と記されています。K氏はひとりで取り付けにいらして満足気に帰られたと現場監督から報告を受けましたが、施主も独り秘かにその仕上がりに満悦していたのです。