2011年の初読みは『神様のカルテ』

年初は何かと気忙しくブログ始めまでさぼってとうとう松の内を過ぎてしまいました。日帰り温泉にのんびり浸かり新年の計を立てようと思いながらこちらも果たせずにいます。そんな訳で少々ネタ不足気味ですが、<うりぼう日誌>本年も宜しくお願い致します。年末年始は遠出もしなかったので空いた時間はTSUTAYAで借りたDVDを見たり床に散乱した積読本を読んだりして過ごしました。

就中、地方都市における高齢者医療という重たいテーマを扱いながらユーモア溢れる筆致で医師と患者や家族との交歓を描いた『神様のカルテ』・『神様のカルテ2』が収穫でした。昨年12月に本ブログでセオドア・ソレンセン氏の逝去に触れたばかりですが、驚いたことにカルテ2では<良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である>という氏の言葉が度々登場します。確かに、政治家のみならず医師にも胸に刻んで欲しい行動規範と云えそうですね。

医療をテーマにした小説は数えきれないほどあります。しかし、一貫して患者(或いは家族)の視点に立って書かれた作品はさほど多くはありません。これまで多忙な地域医療に従事されつつ佳作を送り出されてきた南木佳士さんだけは別格だと思っていましたが、スタイルこそ違え夏川草介さんという好敵手現るという感じです。78年生まれの若い書き手だけに続編が待たれます。

神様のカルテ

神様のカルテ

神様のカルテ 2

神様のカルテ 2