スピーチライターという仕事〜セオドア・ソレンセン氏の偉業〜

年の瀬を迎えると今年鬼籍に入られた方の回想記事が目立つようになります。ケネディ大統領の側近として数々の名演説の草稿を執筆したことで知られるセオドア・ソレンセン氏も今年10月31日に82歳で他界しています。"Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country;"という余りにも有名なケネディの就任演説はこれからも語り継がれていくことでしょう。大統領特別顧問としてケネディの良きパートナーであった同氏が広く政策助言をするにとどまらず国民やメディアに対して明解なメッセージを発信することに終始腐心したことは特筆に値すると思います。先の就任演説をはじめ幾多の歴史に残る演説を起草した偉業から後世の政治家も少しは学んで欲しいものです。民主党政権に代わっても閣僚の失言や舌禍事件は一向に収まりません。最近辞任を余儀なくされた法務大臣の失言に至っては政治家の資質そのものが問われかねない惨状と言わざるを得ません。<はじめにロゴスありき>と云います。日本ではまだスピーチライターという職業が定着してはいませんが、政策秘書あたりがこうした役割の一部を担うことが混迷する政治に一石を投じることになるのではないでしょうか。

Kennedy: The Classic Biography (Harper Perennial Political Classics)

Kennedy: The Classic Biography (Harper Perennial Political Classics)