日銀の買取対象REITはAA格以上に限定

6日付け日経朝刊が詳しく報じる前に一言、ETFREITを買取資産に加えたところまでは当局の対応を評価していたのですが、残念なことに、ETF日経平均連動型に限定される上にREITの買取対象はAA格以上に制限されるようですので、積極的なリスク引受による緩和効果をという日銀のお題目はどうやら掛け声倒れに終わりそうな按配です。11/5現在、J-REITの市場規模は3.25兆円足らず、AA格で縛ると対象市場は1.6兆円と半減してしまいます。J-REITの予定買取額は僅か500億円なのですから、買取基準については全銘柄を対象にするくらいの鷹揚さで臨めば良かったのではないでしょうか。リーマン破綻で投資家の期待を裏切り信用回復も道半ばの格付機関の格付け符号を今だに有難がる日銀の狭量には呆れ返るばかりです。デフレを抑え込んで株や不動産などの資産価格を上昇させることが本義であれば(結果として日銀が買い取った資産価値が上昇する)、格付けなど屁のツッパリにもならないはずです。第二次世界大戦中盤から帝国陸軍が米英軍を前に完膚なきまでに負け戦を繰り返したのは<兵力の逐次投入>という愚を重ねたからに他なりません。世界経済が満身創痍の今こそ、日銀には、兵力の逐次投入にも似た政策の小出し(追加緩和策の用意もあると日銀は補足しますが)を慎んでもらい、所期の政策効果が十分発揮されるように「資産買取等の基金」の枠組みなどは間口を拡げて対応して欲しいものです。週明けにも始まる基金の出動、さてどうなることやら。