GLPのIPO

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シンガポール政府投資公社、通称GICの子会社Global Logistic Properties Limitedが10月18日にシンガポール証券取引所に上場します。グローバル・エクイティ・オファリングの一環で日本でも募集が行われます。目論見書によれば発行体の純手取金は31億シンガポール・ドルに及び、内15億S$は中国及び日本の物流施設に対する新規投資(ProLogisからの物件取得を含む)に充てられるそうです。流通基盤が確立していると云われる日本でもダブルスパイラル出入口や耐震アイソレータ―を備えた先進的物流施設は全体の2%程度にとどまり、かかる先進的物流施設に対する潜在ニーズは高いと見ていいでしょう。シンガポール企業による6年ぶりの国内公募案件の初値に注目しています。日本政府もつい最近重い腰を上げてSWFの立ち上げを検討すると発表したところですが、1981年に外貨準備を積極投資に充てるべくGICを設立したシンガポール政府の後塵を拝すること30年、遅きに失した感が否めません。GICの運用資産は邦貨換算30兆円に匹敵する規模に達していると云われ、対日投資においても大いに存在感を発揮しています。福岡ソフトバンクホークスのホームグランドであるヤフードームも数年前GICの子会社SPCに売却されていますし、記憶に新しいところでは2008年の恵比寿ウエスティンホテルの買収もGICによるものです。有り余る外貨準備を抱えた日本政府も世界的デフレの今こそ優良な海外資産の取得に動いてもいいのではないでしょうか。