都立霊園使用者の書類審査〜無縁社会と訣別するために〜

都庁第二本庁舎に出向き書類審査を受けてきました。開始時刻の9時30分定刻に審査会場に到着したのですが受け取った番号札は37番。待つこと1時間余り、漸く順番が回ってきました。公益財団法人東京都公園協会の女性が手際よく提出書類をチエックしてくれたお陰で15分足らずで審査からは解放されました。我が家はたまたま手元に保管してあったので書類探しに奔走する必要はなかったのですが、提出書類のなかで用意に手間取るのは埋火葬証明と祭祀の主宰証明書(会葬礼状等)です。これから応募される方はこうした書類を捨てないで保管しておくと良いでしょう。審査会場には息子や娘に付き添われた老親に混じって背広姿の墓石業者も目につきました。夫に先立たれた妻(或いは妻に先立たれた夫)が息子や娘と相談しながら自分たちのお墓づくりをするのでしょうか。都内では平成22年度募集の一般埋蔵施設に限っても537人がこれからお墓づくりを始めるわけです。少子化が進み絶系したり無縁化する家系も少ないなか墓守がいるだけでも審査会場を訪れた老親たちは恵まれているに違いありません。子供のいない家庭に配慮して行政も親族の範囲を従来の血族六親等・姻族三親等から拡大を検討しているようです。だからと言って、<そもそも家族なんてもともと壊れていた、壊れていないという家族幻想があっただけだ>と強弁し家族単位から個人単位への政策転換を主張する上野千鶴子女史の立場に安易に与するわけにもいきません。少子高齢化が急速に進む今、無縁社会と訣別するのは容易ではないと痛感しつつ家族の再生を願わずにはいられません。