SOHOの快楽


後輩のHさんが千代田区一番町に念願のSOHOを拵えたと聞いて、早速事務所訪問させて貰いました。数日前まで段ボール箱に囲まれていたそうで事務所のお披露目はこれからと云った感じでした。猛暑のなか事務所探しに奔走されたせいでしょうか、日焼けした顔からは開業準備の苦労が偲ばれました。学生時代に通ったバイト先が一番町だった縁で起業するなら拠点は番町だったと憧憬の地へのこだわりも語ってくれました。真新しい二連のTFT液晶モニタ上で間断なくフラッシュする為替チャートを追うHさんの後姿には一国一城の主の風格が漂い始めていました。筆者も十数年余り千代田区大手町で働いていたのですが、昼間人口が85万人を超える千代田区の夜間人口が僅か4万人という事実(平成17年国勢調査によれば)はあまり知られていません。Hさんが住民票を千代田区に移せば永田町の住人と同じステータスが得られるというわけです。皇居や英国大使館にも近い番町で起業家がひとり誕生しようとしています。ライブドア事件以降低迷を続けるIPO市場が活気を取り戻すためには、Hさんのような起業家を支援するインフラ作り(とりわけエンジェル投資)が欠かせません。彼の今後の活躍を衷心より祈念しつつ、民主党新政権には今こそ本腰を上げて経済対策に取り組んで欲しいと思うのでした。