日本振興銀行破綻のツケは誰が払うのか?

預金保険機構のHPを覗くとこの日に向けて周到な準備が重ねられていたことが分かります。しかし、先行した日本振興銀行に対する長期間にわたる金融庁検査で債務超過は誰の目にも明らかだった訳ですから同行の民事再生手続き申立ては遅きに失したと言わざるを得ません。顧客基盤の脆弱な中小金融機関は市中レートを遥かに上回る付利を行い預金集めをしますので、破綻認定が遅れれば預入時から破綻日までの日数が加算されてその分預保の負担が増えることになります。2010年3月期末で日本振興銀行の定期預金残高は5927億円余り、木村元会長の逮捕等で中途解約が相次いだようですが、日経に依れば預金総額はそれでも6000億円余り。同行が約束する定期預金金利と民間金融機関の平均適用金利との差は低く見積もっても1%近くあるでしょう。1日破綻認定が遅れただけで約16百万円の負担増という計算になります。木村元会長をはじめ旧経営幹部の検査忌避行為が金融庁検査を長引かせた一因ですので旧経営陣の責任は極めて重大です。日銀に勘定を有さないネットバンクとは云え、1500億円を超す債務超過とは驚愕の数字です。預金保険機構の資金調達は大半を政府保証のついた機構債に頼っていますのでつまるところ納税者がツケを払わせられることになります。初のペイオフ発動に至った経営実態の洗い出しと旧経営陣に対する責任追及が待たれます。