海外CB発行ラッシュ

中間期末を控えてユニ・チャーム(8113)をはじめ計4社が海外CB発行を決定、合計調達額(上限)は2205億円に達し2009年の日本企業の調達総額をすでに上回る勢いです。上半期、日本ハム東レが国内CBを発行していますが発行体側からすると総じて好ましい発行条件ではなかったということでしょう。条件決定までの期間が長いことやアップ率が低いことが嫌気されているようですが、債券利回りの低下に歯止めがかからない上に日経平均が9000円前後をウロウロするような市況で投資家寄りの条件決定が担保されないようではこの先が思い遣られます。国内リテールで30%を超えるアップ率が期待出来ないからと云って海外逃避では短絡極まれりです。ユニ・チャームは償還時に株価が低迷し転換価額を下回る場合、権利行使で交付される普通株に加えて転換価額とVWAP価格との差額を投資家にキャッシュバックする<ソフト・マンダトリー条項>を使ってリファイナンス時の現金償還額を圧縮することも出来ます。高い手数料を徴収する以上、引受会社もリファイのリスク低減策を提案したのでしょう。エクイティ・ファイナンスの教科書通り、発行体には戦略的育成事業の開花を前提に着実な株価成長を約束して欲しいものです。