家づくりブログ夜明け前〜エピソード1〜

初回ブログの写真ではすでに基礎工事の段階でしたので、撮り貯めた更地状態の写真も一部紹介しておきます。土地の謄本から原売主の大手製紙会社が土地を取得したのは大正15年だと分かります。以来、80年あまり同社が社宅用地として継続保有してきたのですが、社宅が老朽化したからでしょうか、昨年、三棟すべてが取り壊され500坪弱の敷地が売りに出されました。今の住まいもかつて都市銀行の社宅があった場所ですので、我が家は社宅と縁(えにし)が深いようです。皮肉なことにバブルが弾けて老舗企業が福利厚生コストを切り詰めるために次々と土地処分してくれたお蔭で、我が家にも都内で閑静な住宅地を手に入れるチャンスが訪れました。

リクルートの創業社長江副氏は『不動産は値下がりする!』と題する著書のなかで、埋め立てや容積率の緩和によって土地が産み出され結果不動産価格が下落するリスクについて言及しています。土地は再生産されないものというドグマが見事に喝破されています。確かに都心のタワーマンション用地は増える可能性があるでしょう。一方、総人口が減少に転じて久しい現在も、誰しもが手に入れたいと思うような好立地(第一種低層住居専用地域)の戸建て用地の供給は限られています。前述の500坪の住宅地は9区画に分筆され僅か1ヶ月余りで完売だったと聞きます。<三井のリハウス>が我が家にくだんの社宅跡地を持ち込んできた昨年11月下旬、すでに5区画に買い手がついていました。一生に一度の買い物ですが、即断即決が要求される土地購入、振り返れば身も心もちぢに乱れ他に選択肢はないのかと買ったあとも随分悩みました。今はきっぱり気持を切り換えて、後悔しない良き住まいづくりを目指そうと思っています。