ユニコーン・メルカリがいよいよ東証マザーズ上場へ

昨日、主幹事証券から6/19に東証マザーズ上場予定のメルカリの目論見書が送られてきました。以前、インベストメントバンカーとしてこうした届出目論見書を準備する側だったので、大抵の人がポイ捨てする分厚い書類に目を通すのが習慣になっています。

今回の目論見書には、メルカリの創業者兼CEOの山田進太郎氏からのA4サイズの手紙とロゴをあしらったメジャー(写真下)がおまけとして付いてきました。なかなか粋な計らいだと感心しました。今年41歳を迎える山田氏は、愛知県出身、早稲田大学大学中に楽天インターンを経験。2001年にウノウを起業、2010年にこの会社を米ジンガに売り飛ばし、2013年2月にメルカリを創業しています。

恐るべきはメルカリ創業からわずか5年で上場に漕ぎつけたこと。スマホ利用者をターゲットに国内最大のCtoCマーケットプレイスを創り上げたわけですから当然と云えば当然です。その成長スピードは尋常ではありません。さきの目論見書の要約には、いわゆる不用品の国内潜在市場規模は年間7.6兆円と試算されています。欧米市場も視野に入れると、数十兆円の市場規模が想定されますので、成長余地が半端ではありません。

衣服や日用品がフリマアプリを利用して瞬時にサイトにアップできる上、買主と売主が直接コンタクトしなくてもよいという画期的な売買システムが、メルカリをユニコーンに押し上げた立役者です。企業価値が10億米ドルを超える未上場会社を一角獣になぞらえ、ユニコーンと称しますが、日本には20社程度しか存在しません。

創業者の手紙を読むと、以下の3点に集中投資をしていくということです。メルカリにはすでにGoogleFacebookなどから有能な技術者が転職してきているそうです。

1)人への投資
2)テクノロジーへの投資
3)海外への投資

”GO BOLD"大胆にやろうというスローガンを掲げた山田氏の世界戦略には隙がなさそうです。IPOも55%を海外でオファーするというチャレンジに市場の期待は否が応でも膨らみます。主幹事証券から頂戴したプレミアチケット、「テンバーガー」に大化けするのでしょうか。上場後の株価から目が離せません。